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上野の東京国立博物館で明日1/14(月)まで、 長谷川等伯(とうはく)の『松林図(しょうりんず)屏風』が展示されているので行ってきました。 結論を先に言うと、おススメッ! ということで、興味ある方(実質首都圏にいる方 の限定になってしまいますが)、 条件が許すようなら、最終日の明日、出かけてみてはいかがでしょうか^^ お正月の2日から約2週間の展示期間があったというのに、 ギリギリに行って「おすすめっ!」エントリーを終了前日深夜とかに出すって、 空海展の時といい、中国展の時といい、毎度毎度おんなじパターン(笑)。 進歩ないわよねー。改善しないわよねー。 こんな時期になって言われても…で、イマイチ役に立たないだろう情報ですいません(笑)。 どんな作品でも、画面や図録を通してでは本当の質感などはわからないものですが、 この『松林図屏風』を見て、改めてそれを思いました。 非常にファンが多い作品なので、思い入れは人それぞれと思いますが、 いつも通り、超個人的な感想で進めていきます^^ さて。 こちらがその長谷川等伯筆の水墨画 国宝『松林図屏風』。16世紀、安土桃山時代の作品です。 何がすごいかというと、 まずこの作品には「時代がない」んですよね。時代を纏っていないというか。 400年以上前に描かれた作品ですが、現代の作品です、と言われてもそのまま通ってしまう絵。 時代を超越してる。 昔は絵にはいろいろな約束事があって、 それに沿って画家達は仕上げていくのが当たり前だったため、 大和絵でも水墨画でも、絵は脈々と受け継がれてきたいろんなパターンを内包していて、 どうしても見た目で「時代」を感じる内容になるのが普通なのです。 また、人々の様子など風俗を盛り込めば、そこでまた「時代」を内包することになる。 この絵には、そうしたものがない。 実際にはあるんでしょうが、それが前面に現れるのではなく、 ただただ霧に煙る松林をいかに表現するかだけに画面が使われている。 こちらが右隻。 こちらが左隻。 そして、この絵、実際に実物を見ると、 湿度とか空気まで伝わってくるような、霧に煙る本当の松林に見えるのです。 今回私がとにかく言いたいのがこれなのです。 上でも書いた通り、この絵は水墨画、 つまり色を使わない、墨の濃淡だけというモノトーンで表現されている作品なのですが、 何気なく絵全体を眺める時、この一番濃い墨の部分が、濃い深緑に見えるのです。 たとえばこの部分。 霧に煙る中にたたずむ松の木の葉の色そのもののような、限りなく黒に近い緑に見える。 何度見ても、あれ? って思う。 でも、近くでまじまじと見ると、ただの濃い墨なんですよね。 そして、 薄く引かれている松の幹が、これまた茶色がかっているようなセピア色に見える。 霧に煙る中にたたずむ松の木の幹そのもののような、 限りなく黒に近い赤みを帯びた濃い茶色に感じてくる。 でも、近くでまじまじと見ると、ただの薄くぼかした墨なんですよね。 例えば、右隻一番端にあるこちらの幹。 色がうまく再現できていないとは思うのですが、 実際見てみると、幹を表現する薄い墨が、茶色がかっているように感じてくる。 使われている紙が真っ白ではなく経年も合わせて少し黄ばんだような色合いなので、 そのせいかなぁ…と思ったり、照明のせいかなぁ…と思ったり。 でも、何度も気にして見てみると、どうも墨そのものが違うように感じてくる。 墨に何かを混ぜているのか、それとも、 墨の黒と一口に言っても、実際にはいろんな黒があって、 そうした墨の性質を熟知して使い分けているのか。 幹には赤みがかった墨を使うことで、 結果として、黒×赤でどことなく茶色がかった黒が出る、 葉の一番濃いところを表現する墨には、 緑がかった光沢を持つ墨をたっぷり使うことで、どことなく黒の上に緑のツヤが出る、 結果として霧に煙って光の当たらない暗い松の葉そのもののような風情を出す。 墨という画材を徹底的に研究して、 墨という黒だけでどこまで表現できるのか、に挑んだすごい作品のように思えてきました。 こうしたすべての結果が、 時代を感じない、非常にリアルな松林になってそこに現れている、 それがこの『松林図屏風』だと感じたのでした。 ということで、ぜひぜひ実際見てみて~のおススメです。 黒いだけのはずの墨に色が隠れている、 これは、実際に目の前で作品を見てみなければ絶対わからないものです。 余談ですが、私はこの絵が、 本当に「松林」なんだろうかって、どこかで思っちゃうんですよね。 パッと見た感じは松林なんですが、 1本1本を見ていくと杉とか他の針葉樹も混じってないか? って(笑)。 でも、そう思ってさらに一生懸命見ていくと、 結局最後は、やっぱり全部松だろうな、松なんだろうな、ってなる(笑)。 これ、自分を納得させる意味ではなく、 例えば、杉にもこんなのあるよねーとか思いながら見ても、 各部の筆の方向とか勢いとか、何気ない細部とか、どこかに「松」が潜んでるんですよ。 霧にかすむ幻想的なシルエットに一瞬なんの木かわからなくなっても、 そんなぼんやりした中でもちゃんとどこかに松が投影されている。 その曖昧さと確固とした何かしらの特徴の浮かび出しが、 この絵のリアルさを支える一つなんだろうな、と改めて思ったりもするのでした。 等伯の『松林図屏風』、 今回は特別展ではなく通常の展示なので、 大人は600円の入場料で見られます。高校生以下と70歳以上は無料。 しかも、その場に好きなだけ留まって心ゆくまで鑑賞できます。フラッシュなしなら写真もOK。 そのほかにも、尾形光琳の『風神雷神図屏風』も出てました。 おススメです。ぜひぜひ^^ 東京国立博物館のWEBサイト http://www.tnm.jp/ 新春特別公開のページ http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1577 【追記】 2015年(平成27年)1月にも松林図屏風が展示されるようです。 2つのランキングに参加中。 クリックするとランキングが上がる仕組みです。クリックしてね~^^ 東京国立博物館では、アジア関係の展示を扱う東洋館もリニューアルオープンしていて、 追加料金なしでこちらも見られます。 展示ケースなど最新の設備になってて、これだけでも600円は安いと思う内容。 東洋館も、『松林図屏風』が展示されている本館もどちらも、 それぞれ別々に600円でも十分納得してしまうような素晴らしさなのですが、 それが、600円払って入場すると両方見れちゃう。おススメです~^^! まじめに見たら1日じゃ足りない内容が600円。 国宝・重要文化財いっぱい、教科書で見たことあるような作品もいっぱい。 『松林図屏風』は明日1/14(月)までですが、 これ読んで実物を見てみたくなった方、百聞は一見にしかず。ぜひぜひぜひぜひ^^♪ 2つのランキングに参加中。 クリックするとランキングが上がる仕組みです。クリックしてね~^^
by xiaokobamiki
| 2013-01-13 23:45
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