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秋葉原の無差別殺人のニュースに思うこと それはまだまだはるか先のことになるでしょうが、 私は、つねづね 人間のあらゆる行動は、人間に限らずあらゆることは、数式で表せると思っています。 人間の長い歴史においては、 その時点の水準で理解できないことは不思議なこととされ、 神とかの超越した存在の仕業とされてきました。 そうした「神様のせい」と一緒くたに処理していた説明不能な塊は、 学問の発達によって、少しずつ切り離されて今に至っているわけです。 今の時点でも、わかっていない塊は圧倒的に大きいのに、 わかったことばかりに目がいって、 科学的に説明できることが全て、把握できていることが全て、 「わからないことはない(&「わからないこと」も把握済)」とばかりの姿勢が社会にはあります。 わからないことは何でも「神様」「宗教」で説明されていた過去の先に現在があるため、 宗教といえば、ネガティブにとらえられ、 今の科学を基にした社会とは相容れないものとして、 多くの人には、「イベント」としての役割しかなくなりました。 たしかに宗教は、人間が存在しなければ存在しないものであるため、 その時代時代、地域地域の人々の水準の鏡になるような部分があり、 一般民衆の中に入っていくほどに、どんどん迷信化していったようなところがあり、 私自身、そうした社会に生まれなかったことを本当に良かったと思っていますが、 宗教は、人々の生活全般を多面的に担っていたわけで、 その宗教のたがが外れたことで、失ってしまった良い作用もあるように思います。 人は、神という人知を超えた絶対的な存在を想定することで、 自分が完全な存在でないという謙虚さを持っていたと思います。 社会から、その「神」がいなくなったことで、 その絶対的な存在を前提にした謙虚さを失い、 自身が主役 という、ある意味自身が「神」になるという驕りが 多くの人の意識もしないベースになっているように思います。 もちろん、基本的にはそれでいいのですが、 それは、主役である自分は何をやってもいい、ということを意味しているものではありません。 好きなことができる「権利」と自分への負荷となる「義務」は表裏一体で、 いろいろなことが自由にできる社会においては、 自分を律する義務も比例して大きくなることを社会が自覚しなければ、 収拾がつかなくなります。 最終的には個々人の問題になりますが、 家庭や学校にはじまって報道などにいたるまで、 社会はそうした「やりたいこと」「できること」ばかりに目がいき、 「やらなければならないこと」「自分を律すること」という 「自分への負荷や謙虚さを自覚すること」という視点をおろそかにしているように思います。 神がいなくなり、地獄におびえる生活からも解放された社会では、 個々人は、それまで宗教が担ってくれていた役割を 自分自身の中に持って自分を律しなければならず、 それは、宗教という他人がやってくれていた時代よりも、 はるかに複雑で大変な作業になります。 身分社会がなくなったことも同様です。 これも、私自身そうした身分社会に生まれなくてよかったと思っていますが、 かつての卑屈だった人々は尊大になり、 人々が「己をわきまえる」という 他者の中での自分の身の置き方まで失ってしまったように思います。 情報もいきわたり、お金で何でも手にできるようになり、 一人一人が主人公の社会ではありますが、 それは、何でもやっていい、というものとは違うと思います。 お金さえ払えばそのグレードが手に入って終わり、ではなく、 それに見合った努力を必要とするのであり、 その努力ができないのであれば、身の丈にあったところに身を置く。 そんな、本来必要なバランス感覚と制御感覚が育たない社会。 「世の中がイヤになった」「死刑になりたい」などの利己的理由での無差別殺人、 今年は特に耳にするように思います。 犠牲者の恐怖や無念を思うとやりきれないものがあり、 日ごろ感じていることを書いてみたくなりました。
by xiaokobamiki
| 2008-06-09 00:06
| xiaokobamiki的思考
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